日本語教師養成科
Japanese Teacher
明生コラム
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就職状況
〒130-0021 東京都墨田区緑1-2-10
カザフスタンでは、国際会議における発表で使うため、学習者の学習動機に関するアンケートを実施した。 アンケートはまず日本語で作成し、それをロシア語に訳さなければならず、手続きが煩雑であったため、担当者2人(仮に名前をアリョーナとナターシャとする)がそれぞれミスをした。 たいへん重要なアンケートであったので、私はかなり腹を立て、二人を厳しく叱責しようと思った。 執務室は大部屋で他のセクションの人たちもいるので、そこで叱責してはかわいそうだと思い、空いている教室に集まるよう指示した。 私はまずナターシャを叱った。ナターシャは、いろいろ言い返してきたが、私が問題点をきちんと説明すると最後は黙ってしまった。 それで私はアリョーナに向かった。アリョーナはロシア語への翻訳で大きなミスを犯していた。 それで私は彼女にどうしてそんなひどい間違いを犯したのか、尋ねた。 すると彼女は答えた。 「先生が最後のところでアンケートのあちこちを何度も何度も変えたでしょ、これで最後だ、最後だといいながら。だから私は間違えたんです。」 私の顔面に炸裂した強烈なクロスカウンターパンチ。私は思わず絶句した。 まさか、こんな反論が返ってくるとは夢想だにしなかった。 想像してみてください。あなたの目の前で直近の上司が頭から湯気を立てて怒ってる。その上司に向かって、いや、私は悪くない、問題はあなたのほうにある、と言えますか? アリョーナはそれをやった。 で、なんとも情けないことに、私は納得してしまった。 「そうかあ。そういえば、締切の後でもオレなんどもアンケートいじったもんな。そうかあ…」 それでこの叱責は知りきれトンボで終わった。 大学出たばかりの若い娘が50すぎたオヤジを平然とやりこめた。あっぱれとしかいいようがない。これって異文化ですよね?それとも今の若い日本人だったらおんなじことをやるのかな?